『逃げ上手の若君』は、『週刊少年ジャンプ』で連載であり、2024年7月6日からアニメ化した大人気作品です。
特徴的な作風とわかりやすい展開から人気があり、アニメ化もした本作ですが、その作品の一部描写が炎上を招いてしまったことをご存知でしょうか?
今回はどうしてこのようなことになってしまったのか、調査してきました。
本記事では、炎上した3つの理由と作者の反応、炎上により打ち切りの可能性はあるのかについて解説していきます。
それでは見ていきましょう。
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【逃げ上手の若君】炎上しているのはなぜ?
2024年7月6日からアニメ化し、今人気絶頂の週刊少年ジャンプ作品、『逃げ上手の若君』。
原作者である松井優征先生の独特のセンスと南北朝時代という魅力あふれる題材がうまく混ざりあった本作は、多くの読者に支持を受けています。
しかしアニメ化でより多くの人の目に止まるようになってから、本作はとある3つの理由により炎上してしまうこととなりました。
今回は、なぜ本作が炎上してしまったのか、そしてそれによって今後本作がどのような変遷を辿っていくのかをまとめました。
①歴史の改変
娯楽性を優先し、歴史の描写を一部改変した箇所があることが挙げられます。
本作は日本の南北朝時代を舞台とした作品であり、当時の様子を記した『太平記』を元ネタとして作成されています。
登場人物も教科書で見ることもあるような実在の人物が多数散見され、特に敵役である『足利尊氏』や『小笠原貞宗』は、一時代を作った偉人として有名です。
足利尊氏に関しては、日本史について詳しくなくとも名前だけは聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。
そんな史実に登場する人物が、松井先生の手腕により非常に魅力的なキャラとして活躍する『逃げ若』。
しかし一方で、歴史の描写を一部改変した箇所が散見されるようです。
戦の勝敗やキャラクターの生死については史実通りですが、細やかな箇所を見ると作品の都合により改変された箇所があり、これが歴史を重んじる感性を持つ人たちにとっては歴史の改変と受け取れることができ、結果炎上してしまったようです。
例えば『清原信濃守』は、史実において主人公である時行と戦った事実が存在しないキャラクターです。
歴史上、この人物、あるいはこの人物に相当する人間がいたことは確かですが、それが時行と戦をし、あまつさえ当時の文明では実現が非常に難しい移動式のやぐらを使っているという事実はありません。
これらは決して史実に忠実とはいえず、歴史に忠実な描写を望む読者層の反感を買う可能性があります。
特に歴史を改ざんすることは海外においては日本以上にご法度として認識されています。
アニメ化し海外のファンも増えた結果、これらが炎上するきっかけになってしまったのやもしれません。
②動物虐待描写
作中で描かれた鎌倉時代当時の娯楽の一つ・犬追物が動物虐待描写だといわれています。
これを題材にした時行と小笠原貞宗による戦いは作中屈指の名勝負であり、また時行が小笠原貞宗を自らの師として認識する重要なエピソードです。
しかし、犬追物は現代を生きる人々にとって、嫌悪を覚えるものかもしれません。
というのも、犬追物は決められたスペースに調教した犬を放ち、それを鏃のついていない弓矢で馬上から狙撃するというものだからです。
現代を生きる我々にとって、犬は生活のパートナーであり、家族とする一家もいることでしょう。
そんな犬を弓矢で撃ち抜くという行為は虐待そのものであり、当然ながら現代では行われておりません。
しかしそれは今を生きる我々の倫理観に過ぎません。
当時を生きる鎌倉時代の人々、もとい『逃げ若』の主人公たちにとって、犬追物はみんなが楽しむ当然の娯楽。
誰も犬を撃ち抜くなんて可愛そうとは思っておらず、作中通して優しい心の持ち主であるという描写がなされるヒロインの一人『雫』も、犬追物はよくないことだなどとは話しません。
これはすなわち、当時の人間が犬追物を何ら問題ないことであると感じている証左なのです。
ただ、松井優征先生は現代を生きる我々に、犬追物が受け入れられるとは思っていないようです。
というのも、未来視の能力を持つ時行のパートナー『諏訪頼重』は、「この描写に嫌悪を覚える現代人の我々」という未来を見たようで、炎上を覚悟するようなセリフを話しています。
このことから犬追物の描写は、松井優征先生が犬を弓矢で撃ち抜いてよいという残虐非道な性格をしているわけではなく、当時の風俗を正直に描いた結果であるものであるといえるでしょう。
諏訪頼重の未来視通り、このことをきっかけに炎上が起きてしまったようです。
③未来視の発言
作中では未来視の能力を持つ者が「鎌倉時代の風習を未来人である我々に理解されず炎上する」未来を見る描写があります。
それは側室、現代風に言えばすなわち二股です。
このシーンが描写される際も炎上について触れられており、アニメ化した際はやはり犬追物と同じように炎上する可能性があると言えるでしょう。
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【逃げ上手の若君】炎上した時の作者の反応は?
炎上した際、原作者である松井優征先生はコメントを残しておりません。
松井優征先生曰く、「『太平記』には松山九郎と高木十郎のような『ローカル豪傑』が存在しており、彼らの実在の信憑性は高い」ということです。
『清原信濃守』をはじめ、『太平記』に記されていない名もなき英雄や豪傑、あるいは彼らの活躍はあるのかもしれません。
原作者がこれらを拡大解釈して作品に落とし込んでいることを鑑みると、今回の炎上は「『逃げ上手の若君』のスタイルに合わない人たちもいる」と考え、あくまでもそれを楽しめる人たちのために描き続ける姿勢を取ったようです。
犬追物についてはこちらで調べた結果、そのような文化や風習があったことは間違いないようで、こちらも松井優征先生に非があるというように考えることは難しいかもしれません。
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【逃げ上手の若君】炎上して休載・打ち切りって本当?
『逃げ上手の若君』はこうしていくつかの理由を持って炎上してしまいましたが、今のところ休載・打ち切りのような話は出ておりません。
『週刊少年ジャンプ』はアンケート至上主義を取っており、人気が低迷した作品は雑誌の後ろに載ることが慣習になっています。
現在でも『逃げ上手の若君』は中間程度の人気を維持しており、作品が打ち切られるようなことはないでしょう。
また、炎上騒動で打ち切られた週刊少年ジャンプ作品として、『アクタージュ』という作品があります。
これは原作者が未成年女子にわいせつな行為をしたことから、編集部が週刊少年ジャンプに作品を載せるべきではないと判断した事案といえます。
しかしこれは作者が明確に罪を犯し、しかもその被害者が週刊少年ジャンプを届けるべき未成年者であったことが大きな原因です。
『逃げ上手の若君』の作者である松井優征先生は罪を犯しているわけではありません。
あくまでも作中の一部の描写が読者、あるいは視聴者の反感を買ってしまっただけに過ぎず、作品の休載や打ち切りになる可能性は今後も低いと考えるべきでしょう。
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【逃げ上手の若君】炎上した理由まとめ
炎上の理由は大きく分けて二つありました。
- 歴史の改ざんとも受け取れる作中人物や出来事の描き方
- 犬追物という現代では到底認められない文化の描写
このような歴史モノの作品に、史実と異なることを批判する読者がいるのは必然といえるでしょう。
『逃げ上手の若君』に限らず、『大奥』や『水戸黄門』などの多くの歴史モノの作品には、史実と違うことに不満を持ち、それを批判する読者や視聴者が必ず存在します。
なぜならそれらが作品にあると、歴史への敬意が足りていないように見受けられたり、テーマとして持ってきたにも関わらず調査不足であると受け取れるからです。
しかしそれらがもし許容されないのであれば、世の中から歴史モノは一切なくなってしまうでしょう。
そんな中で、『逃げ上手の若君』は時代に対してある程度忠実に描かれている作品だといえます。
特に少年漫画というはったりを効かせるような作風になりがちなジャンルの中では、特に歴史に敬意を払った作品と言って差し支えありません。
今後の『逃げ上手の若君』も応援していきましょう!
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